ご当地アイドルのもつ「距離感」

「ご当地アイドル」という言葉を聞いたのは、いったいいつ頃だろうか。三十代のわたしのもつアイドルのイメージと、今現在の〝アイドル〟に差が生まれたのはいつだろうか?

AKB48が大活躍を始めた当時は、まだそれほどではなかった。誕生間もない頃は、知る人ぞ知るという感じで、わたし自身家族に話しても誰も「エーケービー……ふぉ……? なにそれ?」という反応だった。

握手会やライブなどの地道なイベントをこなし、テレビで見ない日はないほどの大活躍をはじめた。その頃はまだ、わたしのもつ〝アイドル〟のイメージと「テレビの向こうのアイドル」のイメージはイコールで結ばれていた。

はっきりと変わり始めたのは、この「テレビの向こうのアイドル」が、テレビから出てきたときだ。

「地下アイドル」という言葉をご存じだろうか? ライブハウスでのライブを中心に活躍するアイドルのことだ。テレビではない。わたしにとってアイドルとは偶像、手の届かない存在、あいだに画面を介在する存在というイメージだった。それが目の前で歌い踊るのだ。ステージといっても武道館のように一万人近いファンが詰めかけるわけではない。もちろんその分、アイドルとファンとの距離も近い。

この距離の近さが、まさに「ご当地アイドル」にも関連している。「ご当地」と関するだけあって、都道府県どころか市町村を舞台にしたアイドルもいる。たとえばわたしの地元、三重県四日市市にも「4-sails」「Honey?Merry’s」と複数のご当地アイドルグループが存在する。

正直いえば、この〝距離感〟は、三十代のわたしには違和感がある。アイドル=テレビの向こうの存在と思うからだ。だがしかし、「ご当地アイドル」という新たな潮流を歓迎したいという気持ちも大きい。